世界と日本の洋上風力発電を考察

洋上風力発電、これは海上に設置した風力発電システムの総称であり世界的にも普及が続いているといわれています。
従来の原子力発電は、多くの電力を作り出すことができるけれども、事故によるリスクおよび使用済み燃料の処分における問題など様々な点においてその数は年々減少し続けている、日本国内では2013年3月時点で稼働しているものは定期点検中のものを含め9基といいます。
2011年に発生した東北沖大地震で福島原子力発電の第一原発の事故が発生、そこから10年目を迎えた段階でも立ち入りが禁止になっている地域が多くある、従来そこに住んでいた人々は二度と戻ることができないのではないか、このような予測も行われているなど原子力発電のリスクがどのようなものであるか知らされる部分といえましょう。

風力発電のメリット

風力発電の場合は、太陽光発電などと同じく再生可能エネルギーを活用しているため地球上に存在する資源を使う必要もありませんし、事故が生じたとしても放射能汚染が生じるなどリスクもないわけです。
風力をエネルギーにしている発電所のことを風力発電所と呼びますが、これは一般的には陸地にある発電所を指しており洋上の発電所とは区別されます。
どちらも巨大な羽根でもあるプロペラを風の力で回して電気を作る装置を使うことになりますが、洋上風力発電では陸地とは離れた場所にあるため騒音の問題や万が一、事故が起きたときでも最小限に抑えられるなどのメリットを持ちます。

東日本大震災が発生する以前では54基の原発が存在していた

所で、原子力発電所は東日本大震災が発生する以前では54基の原発が存在していた、このようなことをご存じの人は意外と少ないのではないでしょうか。
しかし、日本の中で利用する電力の約3割は原子力発電に頼るなどその割合は意外と多かったことに気が付かされます。
福島原発の事故から10年が経過した2021年3月時点では、地元の同意を得て再稼働した原子力発電所が5か所ありますが、これらはいずれも西日本地域に集中しているのが特徴であること、そして事故を引き起こしてしまった福島第1原発の沸騰水型とは仕組みなどが異なる加圧水型などの特徴があります。
東日本大震災以降に廃炉が決定したものは21基であり、今後は原子力発電の可能性は低下すると考えても良いのではないでしょうか。

日本の中で利用する電力の約30%が原子力発電によるもの

日本の中で利用する電力の約30%が原子力発電によるもの、時代が変わると太陽光発電など再生可能エネルギーへの注目が集まり徐々に電力不足を解消できる段階まで来ているわけです。
太陽光発電の場合は、以前農地だった場所を開拓してソーラーパネルなどを接地し強大なメガソーラー発電所を建設するところも少なくありません。
しかしながら、メガソーラー発電所を作るためには広大な敷地面積が必要であると同時に太陽の光が当たるような日当たりが求められるなど単に敷地そのものが広いだけでは十分な電力を得ることはできませんし、太陽光発電システムは太陽エネルギーを電気エネルギーに変換する仕組みを持つものですから日中のみしか発電ができない、天候が悪いと発電量が低下するなどの弱点がないわけではありませんよね。
その点、風力発電は風が吹いていれば夜間でも電力を作り出せますし雨などが降っているときでも比較的安定した電力を確保できるなどのメリットもあるわけです。

洋上風力発電のタイプ

陸地の風力発電所の多くは、風の通り道となるような場所に作られるケースが多く山間部の中でも高原地帯や海沿いなどが主な建設予定地です。
日本は四方を海で囲まれた国土環境を持つので、海沿いに風力発電所を接地すれば太陽光発電に次ぐ発電量を期待できる設備になりますが、周辺に集落などがあれば地元の人々は事故への不安を抱くこともあるでしょうし、プロペラが回転すると騒音などの問題があるため陸地といってもどこでも良いわけではありません。
洋上風力発電は、海上にプロペラを持つ設備を設置する方法になりますが大きく分けると2つのタイプが存在します。
一つは、比較的遠浅の海に設置する着床式と風車などの設備を海上に浮かべる浮遊式の2種です。

着床式の場合は、比較的水深が浅い場所など設置ができるエリアが限定されますが、浮体式は海の上に風車設備を持つ船のようなものを浮かべて稼働させるものですから選択肢としては大きくなります。
なお、日本と海外での風力発電の普及の違いですが、世界の中では風力発電の普及が進んでいるけれども、日本では2011年末までに約250万kW(約2.5GW)に達しているものの、今後の風力発電の普及は、従来からの陸上タイプだけでなく日本の特徴でもある長い海岸線や広域な海域を活かせる洋上風力発電が有望視されているようです。

まとめ

海外の場合は、日本とは違い既に洋上風力発電の成長が著しいものとなっていて急成長をしている、中でも欧州の洋上風力発電では2011年度末までに約400万W(約4W)に達している、この発電量は日本の風力発電全体の発電量よりも大きなものです。

参考資料:株式会社INFLUX(星野敦代表)の洋上風力発電開発のメリットとは?